第22回 研究所セミナー「循環器系疾患のトランスレーショナルリサーチ ~オークランド大学での試み~」
2019.04.02
「Translational research for cardiovascular diseases at University of Auckland」
日時:2019年4月2日(火)13:00~14:00
場所:さくらキャンパス 2号館4階4A教室
講師: Professor Julian FR Paton (University of Auckland, New Zealand)
第22回スポーツ健康医科学研究所セミナーでは、呼吸・循環生理学分野において世界的に有名なJulian Paton先生に、高血圧の発症機序とその治療に関わる最新の研究成果についてご講演いただいた。高血圧モデルラットを用いた遺伝子発現解析、心臓を維持した脳脊髄標本を用いた電気生理学実験、ウイルスベクターを用いた循環中枢の遺伝子発現操作と機能実験、大型モデル動物(ヒツジ)を用いた循環制御機構の解明に関わる実験、またヒトを対象とした臨床実験など、遺伝子からヒトを対象とした系統的な実験を通じて、特に高血圧発症には頸動脈化学受容器(頸動脈小体)の過剰興奮とそれにともなう反射性交感神経活動の賦活化が、主たる原因である可能性についてご講演いただいた。本セミナーには教員、研究員、大学院生、学外研究者等の約30名が出席し、講演終了後には若手研究者のポスター発表会も開催され、活発な質疑応答が行われた。