概要
スポーツ健康医科学研究所は、文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業による平成17年(2005年)度「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」の対象研究組織として選定され、2005年、小川秀興(学校法人順天堂現理事長)を初代所長としてさくらキャンパスに開設されました。当初は、「運動に対する心と体の適応:オーダーメイド型運動プログラム作成のための客観マーカー開発(2005~2009年度)」をテーマに研究の組織づくりを行いました。その後、文部科学省の戦略的研究基盤形成支援事業として採択された「子どもの健康づくりのためのスポーツ医科学拠点の形成」(2011~2015年度)や、文部科学省による私立大学研究ブランディング事業として選定された「脳の機能と構造を視る:多次元イメージングセンター(2016年度)」および「スポーツ科学による“Health Creation” :代謝科学研究を基軸に世界展開するブランディング事業(2017年度)」などの大きな課題に取り組み、現在もこれらに関連した研究に取り組んでいます。
このように本研究所では、開設当初より心と体の健康増進や機能向上のための適応を安全かつ効果的に引き出す要因の同定とマーカーの開発を行ない、個別的な運動プログラム作成のためのアルゴリズムの確立を試みることを大きなテーマとしています。また、医学部に開設されているスポートロジー・センターをはじめとする他の研究所・センター等と連携を深めながら、順天堂大学が持つ大きな特徴であり、また強みでもある「スポーツ科学」と「医学」を融合させたアクティブな研究活動を展開し、その成果を社会の発展に寄与することを目指しています。
所長メッセージ
2020東京オリンピック・パラリンピックの開催決定後、研究者のみならず国民全体のスポーツへの関心や期待が大きく高まっています。スポーツ健康医科学研究所は、本学大学院スポーツ健康科学研究科の研究活動の核として、これまでスポーツに関する様々な研究活動を展開し、多くの成果を上げてきました。しかし、その活動の中心は、本研究所の設立を支えた様々な研究助成事業のテーマにみられるように、心身の健康維持増進やQOLの向上を目指す予防医学的なものでした。これからはポスト2020を念頭により研究テーマの幅を広げ、競技力の向上やスポーツ傷害の予防・回復に関するスポーツ医学的な研究はもちろんのこと、スポーツの価値を追究し高めるための研究や取り組みにも一層の力を注いでいく所存です。
研究所スタッフ一同、本研究所がスポーツに関する研究において世界的なイニシアティブを発揮できるようになることを目標に掲げ、学内外の研究者や研究機関、また企業との共同研究の強化、国際的な共同研究の活性化、大型研究費の取得、そして若手研究者の育成を常に意識し日々努力を重ねております。多くの方々から、本研究所の活動に対する忌憚のないご意見、ご示唆、また、ご支援ご協力をいただけますようお願いいたします。
所長 内藤 久士
設備紹介
日立MRイメージング装置 VENTO-J-SHIM
X線骨密度測定装置 Discovery A型
ヒューマンカロリーメーター
室内は、トイレ・洗面台・ベッドなど居住性を十分に考慮し、被験者は快適空間の中で、24時間以上に渡る日常生活動作中のエネルギー代謝量を測定することができる。
ミトコンドリア酵素活性細胞代謝計測セット Oxygraph-2k/LEDmodule
リアルタイムPCRシステム QuantStudio5 A28140
(メッセンジャーRNA)の定量が可能。容易にプロトコル・テンプレートの作成・管理ができるため、実験に要する時間を短縮できる。ビルトインのセキュリティ機能によって、システム利用者の制限やワークフローの管理を容易にする。
水迷路モーリス型(マウス用)
トレッドミル
モーションキャプチャシステムとフォースプレート内蔵型トレッドミル
実験室に完備。ランニングをはじめとする様々なスポーツ動作を三次元分析することが可能。トレッドミルにはフォースプレートが内蔵されており、ウォーキング・ランニング中に発生する地面反力を連続して定量することができる。