第1回 スポーツ健康医科学研究所 国際研究交流会

2019.12.09

ー開催プログラムー
会期:2019年12月9日(月)・10日(火)16:30~19:00
場所:2号館1階大学院教室、共同実習室

12月9日(月)若手研究者による発表会Ⅰ

    1. 開会挨拶
    2. フロリダ大学の紹介および研究・教育システム
    3. 研究所に関連する国内外若手研究者・留学生によるプレゼンテーション「YOUは何しに順天堂へ!?」

12月10日(火)若手研究者による発表会Ⅱ

  1. 体験談基調講演-困ったこともあるけど留学って大事-
  2. 若手研究者による研究発表会
  3. 閉会挨拶

2019年12月9日(月)~10 日(火)に、順天堂大学スポーツ健康医科学研究所/大学院スポーツ健康科学研究科が主催する第1回国際研究交流会が開催されました。交流会には2日間にわたり約50名の参加があり、そのうち30名が学生参加者でした。
まず、スポーツ健康医科学研究所所長/スポーツ健康科学研究科研究科長である内藤久士教授から開会のご挨拶をいただき、本国際研究交流会を開催するに至った経緯や今後の若手研究者の国際交流のあり方についてお話ししました。本交流会は、研究に関する国際交流を推進するだけでなく、若手研究者の海外留学に対する意識の涵養を図るということが大きな特徴となっており、この度は骨格筋の運動生理・生化学研究の第一人者であるアメリカ合衆国のフロリダ州立フロリダ大学Scott K. Powers教授の研究室から博士研究員1名、大学院生(PhD Course及びMaster Course)2名の計3名を講演者としてお招きしました。

最初の講演は、フロリダ大学において博士研究員を務めるHayden Hyatt先生の「The University of Florida’s scientific tools for professional growth: perception from a young scientist」で、若手研究者という立場からフロリダ大学で研究を行うことの魅力についてお話しいただきました。フロリダ大学は、昨年の「News & World Report rankings」において1626校あるアメリカの州立大学の中で第7位を獲得し、文字通り全米でトップクラスの研究を実施している研究機関の一つです。Hyatt先生は、フロリダ大学の研究組織・体制について紹介するとともに、若手研究者や大学院生が参加できる研究セミナーや学部を越えた技術的なコースなど、フロリダ大学の充実した研究支援体制について強調しました。次いで、「Why Study Ph.D. in USA? Why Study Ph.D. at University of Florida? 」では、博士課程の大学院生であるMustafa Ozdemir先生が講演を行いました。Ozdemir先生は、トルコからの留学生としての経験から、留学先で学位を取得することの困難さを述べるとともに、常にチャレンジすることの大切さや、自分の成長に対する喜びがさらなる糧となるとのことでした。また、トルコにおける留学支援システムについての話も聞くことができ、日本の学生にとっては留学を前向きに捉える良いきっかけとなったように思います。最後に、「Master of Science in Applied Physiology and Kinesiology」では、今季、修士課程を修了したBranden Nguyen先生が、フロリダ大学だからこそ経験することができたことや修士課程の間に何をなすべきなのか、Master Courseで開講された授業やPowers教授の研究室での活動について述べました。さらに、フロリダ大学では、ティーチング・アシスタントとして大学院生の頃から教育と深く関わる経験をしており、それによって生計を立てることはもちろんのこと、自分のキャリアアップを確実に進めていくことができるということが、大学院生としての非常に大きなアドバンテージなのかもしれません。

講演に引き続き、「YOUは何しに順天堂へ!?」では、研究所に関連する国内外若手研究者・留学生による研究紹介が行われました。スポーツ健康医科学研究所で特任助教を務める宮本恵理先生は、日本人若手研究者の立場から見た順天堂大学の魅力に加え、順天堂大学でしかできない研究・加速していく活動など、今後の研究を行う場として順天堂大学を選択した理由についてお話ししました。他にも4名の留学生が日本で研究を学ぶことの意義を強調し、順天堂大学で「何を得たいのか?何を期待するのか」について発表しました。

翌日に行われた「体験談基調講演-困ったこともあるけど留学って大事-」では、特任助教の吉原利典先生が、平成29年度より日本学術振興会の海外特別研究員として2年間フロリダ大学で研究留学を行った体験から、いかに留学が大事なのか、留学で何が得られたのかなど、これから留学をする若手研究者・大学院生に向けてお話しました。吉原先生はお話の中で、留学先を選定する際に重要なことや実際に必要だった手続きなど、留学するに至った経緯から留学先で困ったこと、どのようにして解決したかなど、経験したからこそ伝えられるお話を聞くことができました。

続いて、若手研究者による研究発表会が行われました。スポーツ健康医科学研究所に在籍する博士研究員及び大学院生は、各々これまでの研究成果・進捗について2分間で口頭による発表を行い、その後ポスター前でのフリーディスカッションを行いました。この度は15件の発表が行われ、特に大学院生の発表では新鮮なデータが多く、活発な議論と情報交換が行われました。慣れない英語の発表ながらも必死に各々の研究の意義や成果を説明しようとする姿は非常に印象的であり、今後様々な国際会議において成果発表を行うための良いきっかけになったと確信しています。

最後に、スポーツ健康医科学研究所/大学院スポーツ健康科学研究科教授の和気秀文先生による閉会のご挨拶にて今回の国際研究交流会をまとめました。和気先生は、初の試みながら、非常に意義深い、次年度以降の開催につながる国際研究交流会であったことを非常に嬉しく感じられており、本交流会の計画・運営など本国際研究交流会の成功に協力いただいたスポーツ健康医科学研究所ならびに大学院スポーツ健康科学研究科の関係者の方々に感謝の意を述べました。このような若手研究者による国際研究交流会を継続して実施し、若手研究者の海外留学に対する意識・意欲を高める機会を設けることで、今以上に順天堂大学から世界で活躍できる若手研究者が輩出されることを期待しています。