施設概要(目的)
当研究室は、1998年度の文部科学省の私立大学学術フロンティア推進事業「アトピー疾患研究センタープロジェクト」の一環として、1999年4月に新設された動物実験施設と2000年度文部科学省の私学助成プロジェクトである「ハイテクリサーチセンター整備事業」により新設された老人性疾患病態・治療研究センターの一部として、2002年9月に新設した動物実験施設を統合した施設です。
当研究室は、大学キャンパス・ホスピタル再編事業の一環として、2016年1月に8号館4階及び10号館10階より10号館11階に移転しました。飼育室10室、実験室2室、胚操作室1室、その他、洗浄・滅菌室、管理室などから成り、床面積は約510㎡あります。なお、飼育室10室の内、5室をアトピー疾患研究センター・遺伝子解析モデル研究室が使い、5室を10号館10階から移転して来た老人性疾患病態・治療研究センター 遺伝子解析モデル研究室が使っています。SPF動物飼育区域への給気は、HEPA(high-efficiency particulate air)フィルタ(超高性能フィルタ)を通して供給され、使用する物品等は、すべて、オートクレーブ又は、パスボックスを通して滅菌あるいは消毒した後に、動物飼育区域内へ搬入されます。利用者は、手指を洗浄・消毒した後、滅菌した無塵衣、キャップ、マスク、手袋、靴下等を着用し、エアーシャワーを浴びて動物飼育区域へ入室します。当研究室における人及び物品の動線は、動物飼育区域の微生物学的清浄度を保つために、エアシャワー(入口)から出口まで一方通行になっています。
当研究室において飼育する動物種はマウスのみであり、アトピー疾患及び老人性疾患の研究あるいは免疫学の研究に用いられるマウス系統の維持・繁殖、易感染性マウスの飼育、その他のマウスの長期飼育などを行っています。飼育室及び実験室には、個別換気アイソレーションラック(IVCラック:Techniplast社)、インビボイメージングシステム(IVIS Kinetics: Caliper社)、X線照射装置(日立)、安全キャビネット(サンヨー)及びCO2インキュベータ―(サンヨー)等が設置されています。また、胚操作室も整備されており、遺伝子改変マウス(トランスジェニック/ノックアウトマウス等)及びゲノム編集マウス(ノックアウト/ノックインマウス)の作製、受精卵・配偶子の凍結保存及び微生物学的クリーニングが行われています。飼育可能なマウスの匹数は約9,700匹であり、当研究室は遺伝子改変動物を飼育・実験することができる組換えDNA実験承認区域 (P1A, P2A)です。
なお、疾患モデル研究センターにおいては、掌認証装置、2024年1月からはカードリーダー装置を用いて、利用者の入退室を管理しています。