第8回プログレスミーティング 静岡災害医学研究センター研究報告会

日  時:2021年11月17日(水) 17:00~18:00
会  場:オンライン開催(Zoom)
(配信場所:順天堂大学医学部附属静岡病院 管理棟別館2階 第2会議室)
主  催:順天堂大学大学院 医学研究科 静岡災害医学研究センター
参加人数:19名
当研究センターの研究者による、現時点での研究進捗報告会を開催いたしました。

演題1:横紋筋融解における組織障害の発生メカニズムとその対策

順天堂大学
救急・災害医学 射場敏明 教授

【アブストラクト】
クラッシュ症候群や熱中症でみられる横紋筋融解は腎障害をはじめとする臓器障害を誘発し、そのメカニズムには横紋筋から逸脱するミオグロビンが関与していることが知られている。今回培養血管内皮細胞、および白血球を用いてミオグロビンによる細胞死の誘導、neutrophil extracellular traps (NETs)放出を確認した。さらにこれらの障害はヘムスカベンジャーであるヘモペキシンによって緩和されることを検証。

演題2:腹水中HMGB-1測定による穿孔性腹膜炎の重症度評価

外科(杏林大学大学院外科系外科学専攻)
巾匡洋

【アブストラクト】
HMGB-1は炎症性サイトカインのメディエーターであり、敗血症等の疾患に対する治療標的として注目されている。災害時の外傷により起こる穿孔性腹膜炎は、腸液(糞便)汚染による高度炎症を伴う重症感染症である。汚染の程度により予後が変化すると考えられるがその報告は未だ無く、腹水中のHMGB-1を測定した例も無い。そこで、腹水中HMGB-1の測定が重症度評価や予後予測になり得ると考え、これを明らかにするための研究経過を報告。