Program
開催日程 2024 年 10 月 29 日(火)〜 10 月 31 日(木)
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Day1
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01オープニング(自己紹介含む)
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02女性とスポーツⅠ
小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長
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03プロフェッショナルとしてのコーチング
Marlene Bjornsrud (マーリーン・ビヨンズロッド)
米国女性コーチアライアンス 元代表 -
04コーチのためのモチベーション戦略
Nicole LaVoi(ニコル・ラボイ)
ミネソタ大学 タッカーセンター センター長 -
05女性とスポーツⅡ
山口 香 筑波大学体育系 教授
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Day2
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06女性アスリートのコンディショニング
鯉川なつえ
女性スポーツ研究センター 副センター長 -
07スポーツ栄養
鈴木志保子
神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科 研究科長 -
08ダイバーシティとインクルージョンの意義と促進方法
羽石 架苗 ウエスタン・コロラド大学 准教授
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09思考と感情整理のメンタルトレーニング
田中ウルヴェ京
スポーツ心理学者、博士(システムデザイン・マネジメント学)、慶應義塾大学 特任准教授 -
10CoachDISCプログラム
Elizabeth Masen (エリザベス・メイソン)
アスリートアセスメント CEO
伊藤 真紀 法政大学スポーツ健康学部 准教授 -
11CoachDISCケーススタディ
守屋 麻樹 ローレルゲート株式会社 代表取締役
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12スポーツとジェンダー
山口理恵子 城西大学経営学部 教授
小林美由紀
公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ) 業務執行理事
Marlene Bjornsrud (マーリーン・ビヨンズロッド)
米国女性コーチアライアンス 元代表
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Day3
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13リーダーシップ&コラボレーション
Lisa O'Keefe(リサ・オキーフ)
IWG(国際女性スポーツワーキンググループ) 事務局長(2022-2026) -
14Navigating the Future
for Women Sports Leadersパネリスト:
Marlene Bjornsrud (マーリーン・ビヨンズロッド)
Elizabeth Masen (エリザベス・メイソン)
Lisa O'Keefe(リサ・オキーフ)
羽石 架苗
小林美由紀
山口理恵子
伊藤 真紀
守屋 麻樹
鯉川なつえ
コーディネーター:
小笠原悦子 -
15ネットワーキング
小林美由紀
公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ) 業務執行理事 -
16 修了式・クロージング
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開催地 軽井沢プリンスホテル
住所:〒389-0193 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1016-87
主催女性スポーツ研究センター(JCRWS)
共催NPO 法人ジュース(JWS)、WeCOACH
協力株式会社タイドデザイン
株式会社ネットワーク
株式会社モペット
NPO法人スポーツウエイヴ九州
株式会社ニッスイ
花王株式会社
ユニ・チャーム株式会社
01オープニング(自己紹介含む)
講師小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長
鯉川なつえ 女性スポーツ研究センター 副センター長
関口 晃子 女性スポーツ研究センター スタッフ
「女性リーダーアカデミー2024」
秋深まる軽井沢でスタート!
10回目という節目のアカデミーは、初めて10月末に開催。木々の葉が色づき始めた軽井沢の会場には、今年も全国各地から30名の参加者と、WCA修了生、講師らが集結しました。
まずは恒例となっているアイスブレイクによって、参加者たちは心身ともにウォーミングアップ。続く自己紹介では、3日間をともに過ごす仲間の言葉に真剣に聞き入りながらも、ユーモラスな自己PRの言葉に少しずつ緊張がほぐれ、最初の講義を迎える準備が整いました。
02女性とスポーツⅠ
講師小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長
選手の男女比は均等に
果たしてコーチは?
はじめに、女性スポーツの発展と課題について、世界的な動向や日本での取り組みについて、小笠原センター長より説明がなされました。
パリ五輪では、日本人参加選手の男女比がほぼ均等に達したが、IOCが現在注目しているのは、女性コーチがわずか13% という問題であり、日本でも女性コーチ育成は急務としながら「コーチの数だけでなくクオリティの高いコーチを育成するためにこのWCAを10年続けてきた」と小笠原センター長は語りました。
また、国際的な女性スポーツの動向として「国際女性スポーツワーキンググループ(IWG)」の活動や世界女性スポーツ会議、ブライトン宣言の重要性についても言及。女性アスリートの戦略的強化支援には長期的な取り組みが必要であり、組織文化の変革や、女性が最大限にスポーツに参加できる新しい環境の創造が重要だと指摘しました。
03プロフェッショナルとしてのコーチング
講師Marlene Bjornsrud (マーリーン・ビヨンズロッド)
米国女性コーチアライアンス 元代表
通訳伊藤 真紀 法政大学スポーツ健康学部 准教授
チームカルチャーの重要性
互いを尊重し、自身の価値を認識する
マーリーン先生はまず、スポーツ界での自らの経験を共有し、参加者たちに“人生に影響を与えた女性”について考えるよう促しました。
そして、チームカルチャーを構築する上で重要な要素について説明し、アメリカの女子サッカーコーチを例に挙げながら、チームカルチャーの重要性を解説しました。
また、自分自身を大切にすることが重要であり、毎朝自分について考える時間を持つことを提案しました。そして、恐怖や不確実性を感じた際の対処方法について、4歳の少女のエピソードを紹介し、恐怖に打ち勝つヒントを共有しました。
最後に、互いに尊重すること、自分の価値を認識することの大切さを強調し、「皆さんには“ゴールド”のように素晴らしい価値があり、あとから続いてくる人たちにとって勉強になる人たちなのです。皆さんが世界を変えていくんだということを忘れないでください」というエールが参加者に送られました。
04コーチのためのモチベーション戦略
講師Nicole LaVoi(ニコル・ラボイ)
ミネソタ大学 タッカーセンター センター長
スポーツ界におけるシステムをボトムアップで変革
選手にとって、コーチは大切な存在
スポーツ界において、「女性であること」「コーチであること」によって起こる障害(問題)について、ニコル・ラボイ先生が講義を行いました。
女性コーチを取り巻く環境・システムや、今まさに参加者たちが直面している「ダブルスタンダード」について解説しながら、研究に基づいたデータや理論を惜しみなく披露し、それらの重要性と活用方法を説明しました。そして、スポーツ界における「女性を支援せず、女性に価値を置かないシステム」を、ボトムアップで変革していきましょうと参加者を鼓舞しました。
さらに、コーチをする上で陥る可能性がある「バーンアウト(燃え尽き症候群)」について語り、打破するための解決策が紹介されると、参加者の持つ不安な思いや疑問が解けていくようでした。 最後に、「あなたたちは選手にとって、大切な存在であることを絶対に忘れないでください」と、参加者たちにパワーを送りました。
05女性とスポーツⅡ
講師山口 香 筑波大学体育系 教授
スポーツの未来に女性を
発信し、行動していくことの重要性
山口先生はまず、ジェンダーギャップ指数が140カ国中118位と日本は低い位置にあることを指摘し、健康と教育の分野では女性の指標が高いものの、政治や経済の分野で遅れており、女性のリーダーが少ないことを説明。社会とスポーツは合わせ鏡のようであると話し、スポーツ界でも指導者や審判、役員として女性の参加が重要であることを強調しました。
また、柔道界における女性の歴史と現状についても触れ、最近の変化として女子チームの監督に初めて女性が就任したことを紹介し「大きな一歩」と目を細めました。
そして、「スポーツの未来にかかわるところに私たち女性が入り、どうしたらいいかを発信し、行動していくことが必要になってくる」と参加者を鼓舞しました。そのためには理解してくれる男性の支援と、助け合うネットワーク作りが重要であり、今日から一員となったWCAの仲間を大事に、この後に続く人たちへつなげてほしいと締めくくりました。
06女性アスリートのコンディショニング
講師鯉川なつえ
女性スポーツ研究センター 副センター長
選手のシグナルに気づく
ネットワークを活用して対処を
2014年に米国NCAAのWCAに参加した鯉川先生は、「アスリートの心身のケアを専門スタッフが担う米国と異なり、日本ではコーチ自身が医学や栄養の知識を学ぶ必要性を痛感した」と語り、日本のアスリートが健康で全力で競技に取り組めるようにするために必要な知識、さらには女性アスリートが陥りやすい健康課題に関する最新情報などを惜しみなく伝授しました。
また、現場での経験から、選手のシグナルに気づくためのヒント、気づいたときの対処についても具体例を挙げ、いかにして選手のコンディショニングに役立てるかを解説。「この講義で得た知識、そしてWCAで得たネットワークをぜひ活用してほしい」と締めくくりました。
07スポーツ栄養
講師鈴木志保子
神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科 研究科長
食事に対する考えが激変する時代に
スポーツ栄養の重要性
パリ2024でもアスリートを食でサポートをした鈴木先生により、公認スポーツ栄養士の役割、選手のパフォーマンス向上につなげるための栄養サポートとはどういうものか、具体的かつ実践的な視点で解説がなされました。アスリートの競技人生をも左右するため、専門的な知識やエビデンスを基にしながらも、個々の状態に即した栄養マネジメントをすることが必要と述べ、いくつかの指導例も披露していただきました。
数々のオリンピアン、パラリンピアンといったトップアスリートへの栄養マネジメントだけでなく、ジュニアアスリートにおけるエネルギー摂取の考え方、サプリメントや補食についてなど、エビデンスに基づいた様々な最新情報を共有。ライフスタイルの変化、コンビニの普及等による食環境の変化など、食事に対する考え方も激変してきている現代だからこそ、スポーツ栄養の重要性について、改めて考える貴重な時間となりました。
08ダイバーシティとインクルージョンの
意義と促進方法
講師羽石 架苗 ウエスタン・コロラド大学 准教授
スポーツ界は社会の縮図
自己認識と他者理解の必要性
昨年からWCA講師を務める羽石先生は、まず自らのプロフィールと、現在大学において指導者育成をしていること、そして、2006年に米国NCAAのWCAを修了したことを共有し講義をスタートさせました。そして、NPO法人ジュース(JWS)を通じて世界に行ってみると、「世界ではこんなに輝いている女性リーダーがいるんだな」ということに気付かせてもらったという経験を語りました。
スポーツ界は社会の縮図であり、スポーツにおける差別や排除の問題を指摘し、これらの問題に対処するために必要なのは女性リーダーなのだと力説。リーダーシップの重要性を強調しました。
また、自己認識と他者理解についても言及し、参加者にまずは自分のアイデンティティや所属するグループについて考えるよう促しました。さらに、ユニバーサルデザインフォーラーニングの概念を紹介。同じ方法ではなく、それぞれの人にあった接し方やフィードバックをすることの大切さを説明しました。
09思考と感情整理の
メンタルトレーニング
講師田中ウルヴェ京
スポーツ心理学者、博士(システムデザイン・マネジメント学)
慶應義塾大学 特任准教授
すべての感情はどれも大切
ストレスとストレスコーピングを学び、自己理解を深める
田中ウルヴェ京先生の講義では、メンタルトレーニングの重要性、ストレスコーピングの概念、個人の経験に基づくアプローチ、そして実践的なテクニックについて詳しく説明されました。 「ストレスコーピング」は日本語で「対処努力」と定義されるとし、自身の選手時代や指導者としての経験を共有しながら、ストレスへの対処方法の進化についても解説しました。
さらに、自己肯定感の育成についても言及。「自己肯定=私はすごい」というだけでなく、どんな辛いときでも自分の事実を見て、どうするかと考えようとする勇気がどっしりとした自己肯定感であり、スポーツではこれを負けたときに身につけることが可能だと説明しました。そして、それを指導者が自身の経験と言葉で伝え、一緒に選手と作ることができたとき、「本当の意味の“見えないスポーツの価値”を、もっと伝えられるようになります」と語りかけました。
最後の質疑応答では、選手とのコミュニケーションの取り方や、お互いの価値観を確認することの重要性について助言。トップクラスのアスリートとしての実績も持つ京先生のアドバイスは、参加者たちにとって大きな財産となりました。
10CoachDISCプログラム
講師Elizabeth Masen (エリザベス・メイソン)
アスリート・アセスメント CEO
伊藤 真紀 法政大学スポーツ健康学部 准教授
人の性格ではなく行動に着目!
評価ツール「CoachDISC」を理解しよう
幅広いクライアントをサポートしているアスリート・アセスメント社のCEOを務めるエリザベス先生は、講義の冒頭で「人々の行動には常に意味があり、その行動を理解することが重要」と伝えました。
今回の講義では、アスリート・アセスメント社開発の“行動”に着目した評価ツール「CoachDISC」について、より詳しく解説いただきました。CoachDISCでは、行動スタイルにより4つのタイプに分類されます。エリザベス先生からは、各タイプの特徴や、それぞれのタイプがどのように他者と相互理解するかについて、わかりやすくレクチャーいただきました。
講義の後半では、これらの知識をチーム運営やリーダーシップにどのように応用できるかについて話し合われました。また、リーダーとして、異なるタイプのチームメンバーの多様性を活かすために、CoachDISCの知識を活用することを提案。選手などへのコーチングやフィードバックの際には、個々のタイプに合わせてアプローチを行なうことが重要と力説しました。
11CoachDISCケーススタディ
講師守屋 麻樹 ローレルゲート株式会社 代表取締役
コーチにも振り返りが大切
そしてブラッシュアップを
CoachDISCについて理解を深めた後、それを現場で実践的に役立てることを目的とした守屋先生の講義に移りました。
まず、選手に対してのフィードバックの重要性とその効果的な方法について説明がされました。守屋先生は「フィードバックは単なる批判ではなく、相手の成長を促すためのものである」と強調し、相手の価値観に合わせて伝えることがより効果的であると説明がなされました。
講義の後半では、参加者をグループに分類して様々なケーススタディを行い、異なるタイプの相手へのフィードバック方法を実践。グループでどのようにフィードバックを行うべきかを議論した成果を、守屋先生を選手役に、グループの代表者らがコーチ役となって熱演。その様子を客観的に見た他グループの参加者からも様々な意見が述べられるなど、実際の現場でCoachDISCを活用するための方法をいくつも学ぶことができました。
最後に守屋先生は、「コーチにも振り返ることが必要であり、その振り返りを次に活かすことで、人としての幅を広げることになる。ブラッシュアップしていってほしい」と講義を締めくくりました。
12スポーツとジェンダー
講師山口理恵子 城西大学経営学部 教授
小林美由紀
公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ) 業務執行理事
Marlene Bjornsrud (マーリーン・ビヨンズロッド)
米国女性コーチアライアンス 元代表
ジェンダー平等の概念が変化
多様性を受け入れ、お互いを理解し合う
2日目最後の講義である「スポーツとジェンダー」では、ジェンダー(ジェンダー平等)という言葉を様々な場面で聞くようになったものの、構造的な課題は今なお根深く広がっていることを確認しました。その課題はスポーツの文脈においても存在し、男女で異なるメディアの扱いや環境など、引き続きジェンダー平等につながる取り組みを継続していくことが重要と力説しました。
講義終盤では、LGBTQ+に関するワークが行われ、当事者らが直面する困難や社会の反応について理解を深めました。セクシュアル・マイノリティが顕在化しつつあっても、個々の置かれた状況は様々であること、ジェンダーやセクシュアリティは皆が当事者であることを確認し、講義は終了しました。
13リーダーシップ&コラボレーション
講師Lisa O'Keefe(リサ・オキーフ)
IWG(国際女性スポーツワーキンググループ)
事務局長(2022-2026)
通訳羽石 架苗 ウエスタン・コロラド大学 准教授
障壁は乗り越えられるとインスパイアすることがリーダーシップ
日本を変える力になって!
ラグビースコットランド代表として活躍してきたリサ先生は、「成功体験や失敗をたくさんしてきた、その実体験をお話します」と講義をスタートさせました。
前職のスポーツイングランドでの経験を共有し、女性の運動参加を促進するためのキャンペーン「This Girl Can」について説明しました。イングランドでは男性の方が女性よりも運動する傾向があり、この男女間の格差を埋めるための取り組みが必要でした。そこで、女性が運動やスポーツに参加する際の心理的障壁を取り除くことに焦点を当ててキャンペーンを実施し、世界110か国以上で話題となりました。
また、リーダーシップの本質については、ビジョンを持ち、それを共有することと語り、目標達成のためにはチーム全体で協力する必要があり、スポーツ界での女性の価値を高めるために、多くの関係者とのコラボレーションが不可欠であると主張しました。
最後に、「障壁があった時にも乗り越えられるよとインスパイアすることがリーダーシップ。ここにいる人たちはそれができます。誰かに頼まれることを待っていちゃダメ。そういう力が皆さんにあるのだから。どうぞ皆さんが日本を変える力になって」と呼びかけました。
14Navigating the Future
for Women Sports Leaders
パネリストMarlene Bjornsrud, Elizabeth Masen, Lisa O'Keefe,
羽石 架苗、小林美由紀、山口理恵子
伊藤 真紀、守屋 麻樹、鯉川なつえ
コーディネーター小笠原悦子
講師が勢ぞろい!
それぞれが起こしてきた“アクション”を共有
冒頭、このセッションのコーディネーターを務める小笠原先生は、前の講義を受け、2016年のカンファレンスでスピーカーであったリサ先生と出会い、その日のうちにWCA講師のオファーをしたというエピソードを披露。「それから私たちはチームとなりました」と、その後の交流や築いてきた成果について語りました。そして、現在リサ先生が事務局長を務めるIWGでの国際的な活動、2026年に開催する「IWGグルーバルサミット(「世界女性スポーツ会議」から改称)」についても紹介しました。
最初のセッションは、講師らそれぞれが、これまでにどんなアクションを起こしてきたのかを共有していきました。小笠原センター長からは、嬉しい話題として、3名のWCA修了生が日本代表を率いる監督やヘッドコーチに就任したことが共有され、未来を信じてアクションを起こした彼女たちの頑張りが称えられました。
続いて、参加者からの質問に講師陣が答える時間が設けられました。データの重要性やキャリア選択、リーダーシップスタイルなどについての質問が出され、それらに対して具体的なアドバイスが講師らから提供されました。
最後のセッションでは、参加者たち一人ひとりが、3日間の学びや感想などについて発表しました。そして、学んだことを自身のキャリアや組織に持ち帰り、実践することを決意。参加者にとっては大きな刺激と学びの機会となりました。
15ネットワーキング
講師小林美由紀
公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ) 業務執行理事
先輩からのエール
自身の目標を「言葉」にして前に進む
最後の講義となる「ネットワーキング」は、アカデミー3日間の学びを踏まえて、自身の“これからの目標・使命”を再考し、共に学んだ仲間たちと共有する時間です。
その前に、小林先生から自らが携わっているWEリーグ(公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ)設立の意義や理念について説明がありました。そして、女性の登用、スポーツ界での平等な機会の創出など、WEリーグの取り組みが他のスポーツ団体、海外でも評価されていることが報告されました。一方で、現在直面しているいくつかの課題についても報告がなされました。
ここで、WCA1期生であり、WCAが10回を迎えた今年、初の日本女子柔道監督に就任された塚田真希さんからのメッセージビデオが紹介されました。WCA最初のベストリーダー賞にも選出された塚田さんは、WCAでの3日間を“目指したい指導者像が見えた機会”と語り、「10期生の皆さんもこのプログラムをきっかけに様々なことにチャレンジされることと思いますが、頑張ってください!」と力強いエールが送られました。これを受け、小林先生は参加者たちに、自身の目標について、「まずは言葉にすることが大切」と、説きました。
かつて、この場で宣言をしたWCA修了生たちがアクションを起こし、女性リーダーの先輩として大きな一歩を踏み出したという事実は、参加者を奮い立たせる大きな力になりました。
16修了式・クロージング
まずは一歩、バリアブルな方向に踏み出して!
まずは3日間ともに過ごした仲間が選ぶ「ベストリーダー賞」が発表され、藤岡奈穂子さんが選出されました。プレゼンターである小林先生からは、「3日間を通してみんなに関わろうとしている姿に、素晴らしい姿勢だなと感じました」という言葉とともに、記念の盾が贈られました。藤岡さんは「せっかく皆さんに背中を押していただいたので勉強はもちろん、しっかり実践もしていくことを大事にしていきたい」と、仲間に対しての感謝とともに強い信念を語りました。
続いて、講師一人ひとりから参加者へ励ましのメッセージが送られました。リーダーシップの本質や、自己成長の継続的な必要性についても語られ、参加者たちの今後の活躍に期待していることなどが伝えられました。
そして、マーリーン先生から小笠原センター長へ、アカデミーという場を10回継続してきてくれたことへの感謝として、メッセージブックが手渡されました。「これは、ここにいる皆さんからの心のこもったメッセージです」という言葉に、メッセージを書いた10期生たちも次々と立ち上がりスタンディングオベーションが起こりました。
最後に、小笠原センター長から、アニバーサリーである10期生として仲間になってくれたことへの感謝が述べられ、そして、ある修了生の成功例を挙げ、「まずは一歩、バリアブルな方向(価値ある方向)に踏み出すこと。でも、自分一人で行こうとは思わないで。どんなことをしたいかを説明し、努力をしたら、協力者は現れます。一歩を踏み出す勇気を振り絞って」と力強い言葉で、背中を押しました。
個性豊かな30名の“10期生”が誕生し、WCAの修了生はこれで10期生まで合計305名に達しました。