WCA 10thアニバーサリー
10年で305名のWCA修了生が誕生!
節目となる10回目のWCAを終えて
スポーツ界の女性コーチらを対象としたアカデミーが、日本では初めて、2015年9月に軽井沢の地でスタート。夏季(1964年東京)、冬季(1998年長野)両オリンピック・パラリンピックの日本唯一の開催地である軽井沢。唯一無二の存在として羽ばたいてほしいという思いが込められ、日本初の取り組みであるWCAの開催地となりました。
あれから10年・・・。総計305名のWCA修了生たちは、国内外のスポーツ界で幅広く活躍しています。
*開始当初、女性コーチ(Women Coaches)を対象としたアカデミー(Academy)であったが、回を重ね、コーチのみならずスポーツ界の女性のリーダーを対象にしていることから、2024年より「女性リーダーアカデミー」に名称変更(略称のWCAは継承)
Message on the 10th anniversary ★゚。・.。*☆゚。・.。
WCAはこれまでに305名の修了生を輩出し、その中からナショナルレベルのヘッドコーチとして、テニスの杉山愛さん(1期生)、柔道の塚田真希さん(1期生)、クレー射撃の中山由起枝さん(2期生)の3名が活躍しています。 ※2024年現在
今後も彼女たちに続き、日本や世界でリーダーとして活躍する人材が誕生し、スポーツ文化の新たな発展に寄与することがWCAには期待されていると思っています。そのためにもWCAの指導陣やスタッフには不断前進の精神が求められています。 小笠原悦子
私は2014年、米国NCAAのWomen Coaches Academyに参加した際、「このプログラムを日本で実施することが私たちの使命だ!」と強く感じました。同時に、アスリートの心身のケアを専門スタッフが担う米国と異なり、日本ではコーチ自身が医学や栄養の知識を学ぶ必要性を痛感しました。
WCAでは、こうした背景を踏まえ、日本の文化や教育に合わせた独自の講義を取り入れています。アスリートが健康で全力を尽くせる環境を支えるため、WCAで最新の知見や情報を学び、それを現場で活用していただければ幸いです。 鯉川なつえ
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WCAの10年 ★゚。・.。*☆゚。・.。
2015年9月、第1回のWCA参加者たちは、軽井沢の地に全国から集まってきました。どんなに頑張っても男性とは異なる待遇であったり、男性コーチにはない独自の課題に直面していることなど、参加者からは、日本スポーツ界に存在する実情が多く聞かれました。10年経った現在も、すべての課題が解決したとは言えず、時代の流れに応じて新たな課題も生まれています。
本アカデミーは、女性リーダー・コーチに欠かせない視点が盛り込まれたカリキュラム、科学的研究に基づいた教育・トレーニングを3日間集中して実施する宿泊型研修プログラムです。“日本で唯一”の女性リーダー・コーチを支援する取り組みとして、10年間継続して開催してきました。
2018年には「女性スポーツ推進事業 スポーツ団体における女性役員の育成事業(スポーツ庁)」を公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)が受託し、そのモデル事業として、女性スポーツ研究センターが再委託を受けるという形でWCAを実施。そのため、各団体・組織で奮闘する女性役員や女性リーダーが多く参加したアカデミーとなりました。
そして回を重ねるごとに、グラスルーツからエリートレベルまで、また、職種としては、理学療法士や公認スポーツ栄養士、地域のクラブチームや大会運営を支えるスタッフなど、スポーツにかかわる様々な立場の女性が参加する傾向にあります。
オンライン開催で見えたこと
順調に開催を重ねてきたWCAですが、“開催の危機”となったのは、COVID-19の流行により緊急事態宣言が発出された2020年。
中止の選択肢もあったなか、様々な技法を凝らしたオンライン形式で開催したところ、現地開催と変わらない、参加者の意欲と講師たちの熱いレクチャーがオンライン上でぶつかり合い、相乗効果を生み出しました。
2020年、2021年の2年間、オンライン開催を余儀なくされましたが、各年30名を超える参加があり、WCAの絆をつなぎ続けることができました。
軽井沢の3日間で起こる化学反応
WCAは、女性のみという安心できる空間で、集中して講義を行う宿泊型の研修プログラムです。異なるバックボーンを持った参加者たちは、女性同士だから話せることや、分かり合えることがあり、同じように情熱を秘めて参加しているだけに、学ぼうとする貪欲さ、他者の経験や意見を聞きたいという思いは強く、濃密な時間を共有することで、お互いを認め合い、影響を与え合い、いつのまにか仲間意識が培われていきます。
講師たちが言うように「WCA修了生みんなが帰れる場所」、それがWCAなのです。
WCAと修了生のこれから
第1回のWCAで生まれたものが2つ。
ひとつはWCAキャラクターであるクマの名前。1期生の投票により「ポラベア」と名付けられました。
そして、もうひとつは、“東京2020” に向けた「軽井沢宣言」です。これは、参加者・講師たちから自発的に生まれたものですが、日本スポーツ界の発展に向けて、自国開催の東京2020における「すべての女子種目の監督を女性に」を目標にして進んでいこう、というものでした。
翌年(第2回)以降は、この「軽井沢宣言」を理解し、共有したうえで、日本のスポーツ界に貢献するために、各人がすべきと感じたことを宣言する、それぞれの「Action Plan」へと更新されています。
その後の修了生の活躍ぶりは、報道で伝わることもあれば、年に一度開催しているWCA修了生限定の「フォローアップセミナー」での報告によってもたらされることもあります。
修了生たちは、アップデートを継続しながら、さらにパワーアップし、“特別なゴールド”として輝きつづけています。
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修了生ネットワーク ★゚。・.。*☆゚。・.。
全国に存在するWCA修了生たち
北海道から沖縄まで全国各地からWCAにご参加いただいており、所属や役割、職種も多岐にわたっています(右図参照)。参加する理由として、ネットワーク構築やメンターを求めている方もおり、WCAでは修了期を越えた交流の場として、修了生と講師が顔を合わせるフォローアップセミナーを年に一度開催しています。
WCAネットワークをもっと活かせるように
10年目の2024年、WCA10回開催を祝して、WCA1期から10期までの修了生が東京・お茶の水とオンラインで集う同窓会的なイベント「WCA10回記念修了生ミーティング」を11月2日にクローズで開催しました。フォローアップセミナーとしては過去最高の修了生が集まり、すべての修了期の修了生が、対面とオンラインで参加。WCAで登壇した外国人講師や日本人講師にもご参加いただき、熱気であふれる時間となりました。
この日、自身の課題や目標の進捗について議論したり、グループディスカッションで意見交換を行ったり、活動する地域が近い修了生同士がつながるなど、新たな絆を築いた修了生たち。終始賑やかな声が会場内外で飛び交い、仲間との再会も懐かしみました。
これからもJCRWSの使命である女性リーダー・コーチの育成、調査研究はもとより、WCAロゴにある星★「ポラリス(北極星)」のごとく、女性リーダーやコーチたちの「ブレない」夢や目標をサポートします。