センターについて

概要

順天堂大学老人性疾患病態・治療研究センターは、平成11年度から文部科学省の「ハイテクリサーチセンタープロジェクト」の助成を受け建設された。

  • (1) パーキンソン病及び関連疾患の発症と防御研究プロジェクト
  • (2) 認知症疾患の発症と防御研究プロジェクト
  • (3) 高次脳機能の神経機構と機能修復研究プロジェクト

を3つの柱とし、これらはハイテクリサーチセンターのコアとなる研究目標である。

本センターは、老人性疾患の病態の解明や治療研究を中心に、広く学外の若手研究者に解放し、本邦における認知症疾患の病態・治療・看護の研究センターとすることをめざしている。また、共同研究、学際的研究を推進することも1つの大きな目的であり、そのために共同研究室、共同機器室のスペースをとり、加齢や老化に関連した研究者が積極的に利用できる、また利用しやすい研究棟を構築することを目標においている。

施設案内

10号館 6階

10号館 7階

SPF動物施設

SPF(specific pathogen free)動物施設は、平成11年度文部科学省の私学助成プロジェクトである「ハイテクリサーチセンタープロジェクト」により新設された老人性疾患病態・治療研究センターの一部として、平成14年10月に発足した新しい動物施設である。SPF動物施設は、飼育室6室(収容匹数:4,200匹)、P2実験室1室、その他洗浄滅菌室、清浄倉庫などから成り、床面 積は約200㎡である。利用者の入退室は顔認識システムを用いて管理されており、セキュリティー面 でも充実している。SPF(specific pathogen free)動物とは、ある特定の微生物および寄生虫に感染していない(指定されていない微生物および寄生虫感染の有無は知られていない)動物のことであり、厳密な微生物学的コントロールのもとに飼育される。SPF動物飼育区域への給気はHEPA(high-efficiency particulate air)フィルタ(超高性能フィルタ)を通して供給され、使用する物品等はすべてオートクレーブまたはパスボックスを通 して滅菌あるいは消毒した後に、動物飼育区域内へ搬入される。利用者(実験者)は、手指を洗浄・消毒した後、滅菌した無塵衣、フード、マスク、手袋、靴下等を着用し、エアシャワーを浴びて動物飼育区域へ入室する。SPF動物施設における人および物品の動線は、動物飼育区域の微生物学的清浄度を保つために、エアシャワー(入口)から出口まで一方通 行になっている。なお、当SPF動物施設において飼育する動物種はマウス、ラットのみとし、パーキンソン病関連疾患、認知症疾患および神経性疾患等の研究に用いる貴重なマウスやラットの系統(トランスジェニックマウス・ラット、ノックアウトマウス、老人性疾患モデルマウス・ラットなど)の維持、繁殖および長期飼育などを行う。また、P2実験室には倒立顕微鏡、マイクロマニピュレーター、ピエゾドライブシステム等が設置されており、トランスジェニック/ノックアウトマウスの作製が可能で、貴重な系統を保存するために受精卵・精子の凍結保存や体外受精/胚移植によるマウス・ラットの微生物学的クリーニング等も実施する予定である。当施設は、トランスジェニックマウスなどの遺伝子改変動物を飼育することができる組換えDNA実験承認区域である。また、本学における動物実験はすべて「順天堂大学医学部動物実験に関する指針」にそって行われる。

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業