Program
開催日程 2017 年 9 月 5日(火)〜 9 月 7日(木)
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Day1
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01オープニング(自己紹介含む)
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02プロフェッショナルとしてのコーチング
Marlene Bjornsrud (マーリーン・ビヨンズロッド)
米国女性コーチアライアンス 元代表 -
03女性とスポーツ
山口 香 筑波大学体育系 准教授
小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長 -
04女性アスリートのコンディショニングⅠ
「女性アスリートの三主徴」鯉川なつえ 女性スポーツ研究センター 副センター長
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05女性アスリートのコンディショニングⅡ
「スポーツ栄養」鈴木志保子
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 教授
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Day2
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06コーチのためのキャリアプランニング
Nicole LaVoi(ニコル・ラボイ)
ミネソタ大学 タッカーセンター センター長 -
07メンタル&コーピングスキル
田中ウルヴェ京 株式会社ポリゴン 代表取締役
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08CoachDISCプログラム
Liz Hanson(リズ・ハンソン)
アスリートアセスメント クライアント・ディレクター
伊藤 真紀 法政大学スポーツ健康学部 助教 -
09CoachDISCケーススタディ
守屋 麻樹 ローレルゲート株式会社 代表取締役
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10スポーツにおけるダイバーシティ
山口理恵子 城西大学経営学部 准教授
Marlene Bjornsrud(マーリーン・ビヨンズロッド)
米国女性コーチアライアンス 元代表
小林美由紀
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 統括責任者
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Day3
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11リーダーシップ
Lisa O'Keefe(リサ・オキーフ)
スポーツイングランド インサイト・ディレクター
小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長 -
12Navigating the Future
for Women CoachesLisa O'Keefe(リサ・オキーフ)
スポーツイングランド インサイト・ディレクター
Nicole LaVoi(ニコル・ラボイ)
ミネソタ大学 タッカーセンター センター長
Liz Hanson(リズ・ハンソン)
アスリート・アセスメント クライアント・ディレクター
小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長 -
13ネットワーキング
小林美由紀
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 統括責任者 -
14 修了式・クロージング
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開催地:軽井沢プリンスホテル住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢
主催女性スポーツ研究センター(JCRWS)
共催NPO法人ジュース
女性コーチアライアンス(米国)
後援外務省、スポーツ庁
協力ユニ・チャーム株式会社
株式会社カーブスジャパン 株式会社E3
株式会社ナイキジャパン 大塚製薬株式会社
※ 『女性リーダーアカデミー2017 』 は、「文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成26年~平成30年)」の一部補助を受けて実施しました。
01オープニング
講師小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長
伊藤 真紀 順天堂大学スポーツ健康科学部 助教
女性リーダーアカデミー2017、スタート!
今回で3回目となる女性リーダーアカデミーは、緊張感を和らげるアイスブレイクでスタート!
その後、参加者、講師、スタッフそれぞれが、自己紹介を行いました。また、主催者である女性スポーツ研究センターの小笠原悦子センター長より、女性リーダーアカデミー発足の経緯が説明され、参加者は、先人たちの歴史を知り、学ぶ意欲を高めました。
02プロフェッショナルとしてのコーチング
講師マーリーン・ビヨンズロッド
米国女性コーチアライアンス 元代表
通訳伊藤 真紀 法政大学スポーツ健康学部 助教
コーチとして、
少女たちのロールモデルに…
コーチには、スキルの指導のみならず、選手の人生における可能性を最大限に引き出す役割があり、そのために必要不可欠なマネジメント能力やリーダーシップ能力、そしてコーチとして果たすべき責任について説明がなされました。また、プロの女性コーチがほとんどいない理由ついて学び、女性がコーチになるメリットについてそれぞれが考えました。
最後に、「コーチングの木」を用いて、コーチになるまでの過程で、参加者自身を支えてくれた人たちを挙げ、その人たちに感謝を伝えることを促しました。さらに、マーリーン先生は、参加者自身が、夢を持ってスポーツに取り組んでいる少女たちの「ロールモデル」になろうと呼びかけました。
03女性とスポーツ
講師山口 香 筑波大学体育系 准教授
小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長
女性スポーツの歴史を知る
そして、変わるアクションと勇気を!
これまでの女性とスポーツに関する国内外の動きについて、先人たちの勇気ある行動がエピソードと共に伝えられました。2017年4月10日にスポーツ庁をはじめとする日本のスポーツ主要組織が「ブライトンプラスヘルシンキ2014宣言」に署名したことをはじめ、日本国内においても様々な動きが起こっているものの、女性リーダー(役員、コーチ等)が少ないがために生まれる課題について、様々な事例・データをもとに明解に説明されました。
これから日本の女性スポーツ、女性スポーツリーダーがどのように歩んでいくかに注目が集まっていますが、日本を代表する2人の女性リーダー(講師の小笠原悦子先生、山口香先生)から、その進み方について、わかりやすい具体例とともに、力強いメッセージが参加者に伝えられました。
04女性アスリートのコンディショニングⅠ
「女性アスリートの三主徴」
講師鯉川なつえ 女性スポーツ研究センター 副センター長
女性アスリートを「三主徴」から救うために
コーチが知っておくべきこと
女性アスリートが陥りやすい3つの障害「女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad : FAT)」について、図表、データに基づいた詳しい説明がなされ、FATの治療・予防に関する最新の情報も提供されました。
また、女性アスリートのコンディション・身体的特徴という観点からみたコーチの役割についても、ポイントを押さえて説明され、研究に基づいた最新情報が惜しみなく提供されました。
05女性アスリートのコンディショニングⅡ
「スポーツ栄養」
講師鈴木志保子 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 教授
女性アスリートに特化した
栄養摂取・栄養サポート
女性アスリートが陥りやすい「省エネな身体」や「超省エネな身体」のメカニズムについて、データや事例を用いて丁寧に説明がなされました。また、エネルギー摂取や栄養サポートの重要性についても、最新情報が提供されました。
さらに、女性アスリートの身体を守るため、また競技力を向上させるために、スポーツ栄養マネジメントが必要だと、参加者の興味関心をひきつけながら熱く語りました。
06コーチのためのキャリアプランニング
講師ニコル・ラボイ
ミネソタ大学タッカーセンター センター長
通訳伊藤 真紀 順天堂大学スポーツ健康科学部 助教
コーチングという職業を成功に導くための戦略
コーチとしてのキャリアを追求する上で、生態系インターセクショナルモデルが示され、モデル中の4つのレベルで、女性が直面する課題がそれぞれ説明されました。この構造を理解し、女性コーチが直面する問題は個々の能力や経験、責任に関わらず起こりうることである、と解釈することが大切だと説かれました。
そして、男性コーチと比較し、女性コーチが直面する「ダブルスタンダード」が挙げられ、コーチングや雇用・待遇において、女性コーチが男性コーチとは対等でない内容が紹介されました。その後、日本の女性コーチにおけるダブルスタンダードについて話し合われ、コーチングという職業を成功に導くための戦略が伝えられました。
07メンタル&コーピングスキル
講師田中ウルヴェ京 株式会社ポリゴン 代表取締役
指導者としての「自己認識」を高め「指導哲学」をつくる
ストレスパターンを知り自分の感情と思考を理解する
心技体の「心」を鍛えるのに必要なメンタルトレーニングについての理論的な説明がなされ、指導者としての自分の哲学を構築し、アスリートの実力発揮を妨げる要因を理解するための講義が、実践形式によって進められました。
参加者は「自分は誰なのか?」を知るという自己認識能力の必要性を学び、現在はどのように過去の自分を捉えているかを視覚化しました。さらに、感情のコントロールが大事な理由について説明がなされ、ストレスパターンからみた自己特性を整理するワークも行われ、指導者として選手と向き合うために大切なことが惜しみなく伝えられました。
08CoachDISC プログラム
講師リズ・ハンソン
アスリートアセスメント クライアント・ディレクター
伊藤 真紀 法政大学スポーツ健康学部 助教
本来のスタイル、適応型スタイルを理解する
選手のスタイルも理解する
事前に日本語版「CoachDISC」を実施した参加者は、そこから得られた行動診断の結果をもとに、自分自身の本来のスタイルと適応型スタイルについて理解を深めました。コーチに行動スタイルがあるように、アスリートにも同様にそれぞれの行動スタイルがあるため、その特性に気づき、理解する必要があることの重要性が説かれました。
それぞれの行動スタイルパターンを理解した上で、状況を把握・判断し、見極め、適切な行動を選び、望ましい結果を得るために行動スタイルを適応させる、そして将来に向けて結果を評価することの重要性が説かれました。グループワークも交え、笑いの中にも真剣味あふれる講義となりました。
09CoachDISC ケーススタディ
講師守屋 麻樹 ローレルゲート株式会社 代表取締役
ケーススタディで新たな自分を発見!
前の講義「CoachDISCプログラム」で学んだことを生かし、多種多様なメンバーが集まるチームの様々な状況を想定して演習が行われました。
参加者がコーチ役となり、実演しながら、それぞれの行動タイプの選手に対してどのように接したらよいかについて考えました。リズ先生の的確なアドバイスも受けながら実施され、実践に即した有意義な演習となりました。
10スポーツにおけるダイバーシティ
講師山口理恵子 城西大学経営学部 准教授
マーリーン・ビヨンズロッド
米国女性コーチアライアンス 元代表
通訳小林美由紀
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 統括責任者
ダイバーシティを理解し、向き合う
セクシュアルハラスメント、体罰、セクシュアルマイノリティが直面する問題は、これまで競技パフォーマンスが優先されるスポーツ界では排除されるトピックでした。このセクションの前半では、日本のスポーツ界で起きた事例を通じて、なぜそのようなこと起こってしまうのかを理解し、選手からハラスメントに関する相談を受けた時に指導者としてどのように対応すべきかについても考えました。
後半は、スポーツ界において女性の活躍だけでなく、セクシュアルマイノリティも含めたさまざまな人たちが活躍できる場を作っていくために、ダイバーシティマネジメントの考え方について説明がありました。その後、セクシュアルマイノリティの人たちが経験している実態を、情動レベルで理解するための「カミングアウトスター」というワークを実施し、ダイバーシティマネジメントの重要性をあらためて考える機会となりました。
11リーダーシップ
講師リサ・オキーフ
スポーツイングランド インサイト・ディレクター
小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長
リーダーシップ理論と実践
勇気をもって進む
小笠原先生より、リーダーシップの学術的理論をじっくり学び、これまで感覚でとらえていたことを理論に落とし込んで理解しました。その後、リサ先生より、スポーツイングランドが実施した「This Girl Can」のキャンペーンが紹介され、戦略的に展開したこのキャンペーンがどのように多くの女性の共感を呼び、SNSを通じて短期間に世界中に拡がり、世界的成功を収めたのかについて、データに基づいた説明がなされました。
インサイト・ディレクター(リーダー)として、リサ先生がどのように考え、行動したのか、そのプロセスも語られました。現在もこのプロジェクトを進め、指揮しているリサ先生は、このキャンペーンの未来についても言及しました。そして、リーダーとしての心得と覚悟、そして人を動かす、まとめる手法を惜しみなく話してくださり、その言葉に、参加者たちは、勇気をもって進むことを後押しされました。
12Navigating the Future
for Women Coaches
講師リサ・オキーフ
スポーツイングランド インサイト・ディレクター
ニコル・ラボイ
ミネソタ大学 タッカーセンター センター長
リズ・ハンソン
アスリートアセスメント クライアント・ディレクター
小笠原悦子 女性スポーツ研究センター センター長
通訳小林美由紀
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 統括責任者
世界の女性リーダーからの熱いメッセージ
「女性コーチの未来に向かって」というテーマで、参加者の質問を受けながらディスカッションが展開されました。パネリスト自身のスポーツとの関わり、これまでのコーチング経験、職歴などを含めた参加者へのメッセージがグローバルな視点で語られると、参加者からの質問が相次ぎ、活発なディスカッションが展開されました。世界の女性スポーツリーダーから日本の指導者(リーダー)たちへ、たくさんの熱いメッセージが贈られました。
最後にコーディネーターである小笠原センター長が、「それぞれが持つスペシャリティで勝負(挑戦)してほしい」と締めくくりました。
13ネットワーキング
講師小林美由紀
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 統括責任者
I Can Do It!
2015年9月、初めて開催した「女性リーダーアカデミー2015」で生まれた「軽井沢宣言」の経緯が、進行役の小林先生から説明され、これから自分は何をすべきかを参加者それぞれが考える時間となりました。
参加者全員が一人ずつ、「I Can Do It!」という思いとともに、自身の決意を表明しました。仲間との強い絆を確信しながら、自分がやるべきことを明確にし、「女性リーダーアカデミー2017」の全講義が終了となりました。
14修了式・クロージング
仲間と共に学んだかけがえのない時間
進むためのフィナーレ
まず、仲間のコーチたちによって選ばれた「ベストコーチ賞」が発表されました。女性リーダーアカデミー3期生のベストコーチ賞は、萩原美樹子さんに輝きました。
そして、4人の外国人講師より、心に響く感動的なメッセージが送られ、その後、修了証が一人ひとりに授与されました。
最後に、主催者である女性スポーツ研究センターの小笠原悦子センター長より、これから日本の未来を担う女性コーチに向けて、熱いメッセージが送られました。参加者をはじめ、講師、スタッフは、これから情報を共有していくこと、また、それぞれの目標に向けて行動を起こすことを誓い、「女性リーダーアカデミー2017」は修了しました。