(ア) コホート研究によるロコモセンシングプログラム開発
(石島 旨章、町田 修一)
(イ) ロコモ予防・改善機器・用品、トレーニングプログラム開発
(内藤久士、町田 修一)
動くことがロコモ予防・改善に重要であることは分かっています。しかし、自ら動けない、あるいは動く事をアシストする必要性がある人たちがいます。現代人の生活習慣は動かなくなっている傾向にあり、ロコモ予備群の増加につながっています。
「健康日本21」 最終評価では、60歳以上の運動習慣者は増加就労世代の8割が運動習慣を有さないと示されています。
70歳代になると、その多くは次第に衰えて生活動作に援助が必要になってきます。また、1~2割の人々は急速に衰え、70歳になる頃には自立が困難な状態になる傾向にあります。その一方で、男性の1割のみが長く自立を保つことができるというデータがあります。
※出典:秋山弘子 長寿社会の科学と社会の構想「科学」 岩波書店2010
日本の平均寿命と健康寿命の差を要介護期間とすると、男女ともに10年前後という長い年月のギャップが示されます。本開発グループは、多くの人々が寿命に至るまで自立して生活できる“幸福寿命”に向けたイノベーションの創出を目指しています。では一体どのような人々がロコモに陥りやすいのか、予備群はどのような状態なのか、その科学的な検証から開始し、ロコモを予防する技術開発へ発展させます。
※資料:平均寿命(平成22年)は、厚生労働省「平成22年完全生命表」、健康寿命(平成22年)は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
ロコモが進んで、不動化・不活動化から解放された後の取り組みも大事となります。そこで、本グループは持続性を有した総活性化社会の実現を目指します。その第一歩として、ロコモを予防する運動や機器の開発と普及に取り組みます。2020年を目安に、ロコモ予防の社会実装をおこない、続けるためにカルチャー化する仕組みを整えて、多くの人々が支えあう社会を目指します。