環境医学研究所について

環境医学研究所所長
髙森 建二

千葉県浦安の地に順天堂大学浦安病院が開院してから21年が経過致しました。開院当初は、病院内に研究を行う設備がなく、病院関係者は大学病院にふさわしい研究を行うために大変な努力をして参りました。したがいまして、本格的な研究設備を備えた施設を病院内に設置することは、病院関係者一同の長年の悲願でありました。一方で、順天堂大学浦安病院は、性差医療の充実を全国に先駆けて推進している千葉県と協力し、女性専用クリニックの開設など、環境要因と性差に着目した医療の拡充を図るなど、地域に密着した大学病院にふさわしい役割を果たすことに努めて参りました。
平成16年4月、小川秀興理事長・学長(環境医学研究所長)を中心とする大学当局のご尽力により、文部科学省ハイテク・リサーチ・センター構想の一環として、環境要因と性差に着目した研究施設、環境医学研究所が設置されました。これにより、順天堂大学浦安病院は全国でも類を見ないほどの充実した研究設備を有する病院となりました。さらに平成17年度より研究所内に社会人にも門戸を広げた大学院授業科目も開講され、一般社会人はもとより、当病院で臨床に携わりながら、学位取得を目指すことも可能となりました。今後は臨床と基礎が融合した研究を推進し、3つのプロジェクト(環境因子と生体反応プロジェクト、疾患関連遺伝子変異と環境因子プロジェクト、性差医学と環境因子プロジェクト)に基づく研究により、順天堂大学浦安病院ならではの研究を、環境医学研究所から世界に向けて発信させていきたいと思います。