抗加齢皮膚医学研究講座

順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所
抗加齢皮膚医学研究講座(Anti-aging skin research laboratory)を開設

■ 共同研究講座「抗加齢皮膚医学研究講座」を開設

順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所・所長の髙森建二特任教授は、2018年6月1日、株式会社ファンケルと加齢に伴う皮膚の老化メカニズムの解明とその対策方法の開発に取り組む共同研究講座「抗加齢皮膚医学研究講座」を開設しました。3年間の研究期間(第I期)では、本講座の設置目的である老化制御法の開発に結び付く標的分子及び細胞を見出しました。
2019年8月6日付で、株式会社ファンケルは、キリンホールディングス(キリンHD)株式会社と資本業務提携しました。これを受けて、第II期:2021年6月1日より、キリンHD―ファンケルと本講座の設置を継続することになりました。今後は第I期の研究成果を基盤として、超高齢化社会のニーズに応える老化制御法の研究開発をさらに推し進めてまいります。

■ 共同研究講座とは

企業等との共同研究を目的として大学内に研究組織を設置し、大学と企業が共同して、共通の課題について研究を行うことを目的とするものです。

【制度の特徴】

共同研究講座は、従来の制度では資金拠出が困難であった企業を呼び込み、産学連携活動の促進に寄与します。

  • ①共同研究講座はお互いに経費を負担し合うため、寄付講座と比較し、利益相反による弊害が軽減されます。
  • ②寄付講座では、知的財産は本学の単独所有となり、本学にとってはメリットがありますが、企業側は権利を主張できないことから障害となっていました。共同研究講座では、知的財産が応分の比率により共有となります。

■ 抗加齢皮膚医学研究講座の概要(Anti-aging skin research laboratory)

【研究目的】

本講座では、加齢に伴う皮膚の構造及び機能の変化を基礎及び臨床医学の双方から研究し、老化メカニズムの解明とその対策方法の開発を目指します。

【講座名】

抗加齢皮膚医学研究講座(Anti-aging skin research laboratory)

【第I期:研究テーマ】

加齢に伴う皮膚の老化メカニズムの解明とその対策方法の開発

【第I期:開設期間】

2018年6月1日~2021年5月31日(3年間)

【第I期:組織】


区分 氏名 職名 役割分担
(研究実施計画に対する分担事項)
本学 1. 髙森 建二 環境医学研究所・所長
特任教授
研究統括
2. 須賀 康 浦安病院皮膚科・教授 皮膚科学における臨床研究
3. 冨永 光俊 環境医学研究所・先任准教授 皮膚科学における基礎医学的研究
4. 鎌田 弥生 環境医学研究所・助教 皮膚科学における基礎医学的研究
外部機関 1. 宮田 民恵 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
研究アドバイザー、庶務担当及び研究
2. 関口 瑠名 ファンケル総合研究所
安全性品質研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
加齢に伴うかゆみ関連分子の解明
3. 小坂マリアンナ由乃 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター
/環境医学研究所・協力研究員
加齢に伴うかゆみ関連分子の解明
4. 市橋 陽子 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
ストレスに対する老化防御の分子メカニズムの解明
5 佐藤 暢彦 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
ストレスに対する老化防御の分子メカニズムの解明
6. 枝 亜希子 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
薄毛・白髪に対する老化防御の分子メカニズムの解明
7. 山田 祐太郎 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
ストレスに対する老化防御の分子メカニズムの解明

 

【第II期:研究テーマ】

加齢に伴う皮膚の老化メカニズムの解明とその対策方法の開発

【第II期:開設期間】

2021年6月1日~2023年5月31日(2年間)

【第II期:組織】


区分 氏名 職名 役割分担
(研究実施計画に対する分担事項)
本学 1. 髙森 建二 環境医学研究所・所長
特任教授
研究統括
2. 須賀 康 浦安病院皮膚科・教授 皮膚科学における臨床研究
3. 冨永 光俊 環境医学研究所・先任准教授 皮膚科学における基礎医学的研究
4. 鎌田 弥生 環境医学研究所・助教 皮膚科学における基礎医学的研究
外部機関 1. 櫻井 哲人 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター長/
環境医学研究所・協力研究員
皮膚老化、かゆみ関連研究の統括
2. 宮田 民恵 ファンケル総合研究所
安全製品質研究センター長/
環境医学研究所・協力研究員
かゆみ関連研究の統括
3. 関口 瑠名 ファンケル総合研究所
安全性品質研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
加齢に伴うかゆみ関連分子の解明
4. 吉野 崇 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
加齢やストレスに対する表皮細胞を介した老化防御の分子メカニズムの解明
5. 佐藤 暢彦 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
ストレスに対する表皮細胞を介した老化防御の分子メカニズムの解明
6. 山田 祐太郎 ファンケル総合研究所
安全性品質研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
加齢に伴うかゆみ関連分子の解明
7. 市橋 陽子 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
加齢に伴う脱毛関連因子、皮膚バリア機能関連因子の解明
8. 枝 亜希子 ファンケル総合研究所
ビューティサイエンス研究センター/
環境医学研究所・協力研究員
加齢に伴う脂質関連因子の解明
9. 小西 豊 キリン中央研究所
新領域ユニット長/
環境医学研究所・協力研究員
皮膚モデル研究進捗の統括
10. 森田 悠治 キリン中央研究所/
環境医学研究所・協力研究員
加齢やストレスに伴う皮膚老化の評価系の構築
11. 高柳 晋一郎 キリン中央研究所/
環境医学研究所・協力研究員
加齢やストレスに伴う皮膚老化の評価系の構築
12. 山崎 雄大 キリン中央研究所/
環境医学研究所・協力研究員
加齢やストレスに伴う皮膚老化の評価系の構築
13. 中園 一紀  キリン中央研究所/
環境医学研究所・協力研究員
加齢やストレスに伴う皮膚老化の評価系の構築
14. 髙橋 千佳 キリン中央研究所/
環境医学研究所・協力研究員
加齢やストレスに伴う皮膚老化の評価系の構築

■ 業績

【原著論文】

  • Satoh M, Suzuki T, Sakurai T, Toyama S, Kamata Y, Kondo S, Suga Y, Tominaga M, Takamori K. A novel in vitro assay using human iPSC-derived sensory neurons to evaluate the effects of external chemicals on neuronal morphology: possible implications in prediction of abnormal skin sensation. Int J Mol Sci. 2021; 22(19): 10525. DOI: 10.3390/ijms221910525. Press Release